■圧倒的な強さ「フル代表」との違い
森保一監督率いるフル代表は、アジアでは圧倒的な強さを見せており、3月20日のバーレーン戦に勝利すれば、早くもワールドカップ出場が決まる。
森保監督が前回ワールドカップから一貫してチームを作ってきた結果として、チームとしての完成度が高く、戦術的なバリエーションが豊富なこともあるが、アジアを圧倒できるのは、日本選手の個人能力と経験が他のアジア諸国を圧しているからだ。なにしろ、大半の選手がヨーロッパでプレーしており、各国リーグの強豪クラブでレギュラーを張っている選手も多い。今では、日本選手がUEFAチャンピオンズリーグでゴールを決めることなどは、珍しくなくなっているのだ。
プレミアリーグやラ・リーガ、リーグアンでゴラッソを決めている選手たちがアジアの相手に優位に立つのは当然のことだ。
育成年代で育ってきた選手たちが、アジアで最も競技力が高いJリーグという場で鍛えられ、ヨーロッパのクラブでさらに高いレベルのプレーを経験して成長する……。それによって、日本のフル代表はアジアでは圧倒的な強さを手に入れた。
だが、年代別代表の選手たちは、まだJリーグやヨーロッパで成長する前段階にある。彼らは、いわば「素材」なのだ。
アジア各国にも高いレベルのテクニックを持っていたり、驚異的なフィジカル能力を持つ選手は必ずいる。そういう相手に対して、経験の浅い「素材」である20歳ほどの選手たちが対戦するのだ。年代別の大会では、日本の地位はフル代表のように絶対のものではない。