■立て直し策はいかに

 立て直し策として一つ考えられるのは、堅守を誇った2年前の形に原点回帰すること。ただ、当時はアレクサンダー・ショルツ酒井宏樹という個人能力の高いDFがいて、多少劣勢に陥っても彼らの力で跳ね返すことができていた。けれども今は関根も本職のSBではないし、ダニーロ・ボザとマリウス・ホイブラーテンも最近コンビを結成したばかりで、どうしても息の合わないところがある。彼らにしわ寄せが行く形はリスクもある。ローブロックで守るだけで全ての問題が解決するわけではないだろう。
 だからこそ、行くべきところと引いて守るべきところのメリハリをしっかりつけていくことが肝要だ。それは原口も指摘している点である。
「走り回ってプレッシャーがハマらないと、いろんな選手を見てても、話してもそうだけど、疲れが溜まって、ボールを取った時にはもう乳酸が溜まってる状態なので、誰も輝けないっていう状況に陥ってしまっている。やっぱりまずプレッシャーをしっかりハメることが重要だし、ハマらないんだったら下がってもカウンターに専念するっていうのも大事。そのへんの決断はピッチ内でやらなきゃいけない」と背番号9をつけるフィールド最年長プレーヤーは語気を強めていた。
「前線からのプレスがかからない日であったとしても、もう少し守備を安定させないといけないと思います」とスコルジャ監督もコメントしていたが、この1週間はその取り組みが最重要テーマとなる。失点を繰り返していたら、全ての前提が狂ってしまう。そこだけは肝に銘じて、前半からいかにして組織的な守備を構築していくかを全員が考え、話し合っていくことから再スタートするしかない。
(取材・文/元川悦子)
(後編へつづく)

(2)へ続く
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