■求められるクロスの質
後半はマルシーニョに代えて家長昭博を投入。前半は右サイドに入っていた伊藤達哉を左に移動させたうえで家長を右に入れたが、家長をうまく生かせなかった印象だ。家長が入る分、相手に時間を与えるが、味方にも時間を与えられる。昨年までは選手同士の距離感を近くしてからの崩しを得意としてきたが、現在の戦い方ではそれをしておらず、周囲の動き出しも少なかった。同時に、逆サイドでの準備でもできていなかった。
前後半を通して多かったのは、長谷部茂利監督が今季指導から掲げるクロス攻撃で、この試合ではそれがより顕著に見られた。サイドバックは浅い位置からでもボールを入れており、相手の最終ラインが準備できていないうちに入れることが徹底されていたと思われるが、この試合ではすべてはね返される。
中に切り込む動きとセットではなかったため、クロスを早めに入れるか、もしくは、縦に勝負してクロスという流れは相手にも読まれやすく、合わせて、中に入る人数も少なく、可能性を低くしてしまった。
それについて8日に長谷部茂利監督に率直に尋ねれば、「クロスの質が少し低かった。もう少しボールが合えば得点の場面がけっこうあった」と評価。そのうえで、「キックやヘディングのフィーリングが大事なので、急に上手にはならないけど、持ってる力を100%出せるようにっていう意味で」と、8日の練習で改めて行ったクロス練習の意図を説明する。
マルシーニョ、伊藤達哉、三浦颯太、ファンウェルメスケルケン際、佐々木旭らサイドの選手がどのように判断し、そして、中にはどのように入っていくのか。改めて求められそうだ。
では、無得点に終わった第1戦を踏まえ、川崎は第2戦でどのような姿勢で戦うのか――。
(取材・文/中地拓也)