■手を打つべき「間延びした」システム

【27分の水戸の先制点の場面】

 右サイドから津久井が飯田とのワン・ツーでペナルティエリアに入ってきて、そのまま抜け出してシュートを決める。まず、左SB山田拓巳は、裏に来るだろうと予測をした走りをしている。しかし、春の芝生のためにワン・ツーのボールが予測したよりも転がらなかったので、足の運びがうまくいかなかったように見える。山田にとっては、アンラッキーだった。
 問題は、センターバック(以降CB)の安部崇士のサポートが遅いことである。左のゴールエリアの角あたりにポジショニングしておきたいところだ。あと2歩ズレて移動しているだけで、失点は防げた。なおかつ、安倍の背後に水戸の選手が1人しかおらず、山形3対水戸1の数的優位なのだから、マークを外して津久井の前に行かなければならない。ここの最終ラインを見てもらってもわかるのだが、ラインが低すぎるように見える。

 山形のラインが深くなった理由は、水戸が左右のスペースを大きく使ってボールを動かすので、引いて守ってしっかり跳ね返そうと考えて、ラインを低くして戦っていたとしか思えない。真ん中には常に人が足りるように、配置はしていたのだから。極端な話、サイドはやられてもいいから、中で跳ね返そうとしたのだろう。

 次節の水戸は、3月2日(日)にホームで愛媛FCを迎える。山形は3月1日(土)にジェフ千葉との戦いをアウェイで行う。
 開幕して3試合目になるが、水戸はコンパクトな「4-4-2」で愛媛を粉砕したい。山形は、試合を見る限り、最終ラインが低く、全体に間延びしたシステムをどうやって改善してくるのか。山形は早めに何らかの手を打つべきだろう。

 

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