【川崎の元分析官・二階堂悠氏が語る「柏vsC大阪」(3)】C大阪の攻めの狙いは柏の3バックとの1対1。対する柏は先制許すも焦りを見せず、やるべきことをやり続けて勝利の画像
柏レイソルとセレッソ大阪の試合にはどのような駆け引きがあったのか 撮影:中地拓也

 2024年シーズンまでの8年間にわたって川崎フロンターレで分析コーチを務めた二階堂悠氏。チームの7冠に貢献した二階堂氏は現在、次なる挑戦を前にしているが、フリーの立場で2025年J1リーグ第3節の柏レイソルセレッソ大阪の試合について語った。

     ※       ※
 J1リーグ第3節で、互いに監督交代初年度同士のチームがぶつかった。リカルド・ロドリゲス監督を招聘した柏と、アーサー・パパス監督が率いるC大阪だ。
 柏は90分間を通して試合をマネジメント。先制を許した展開にあっても、「バタつきや焦りなどは一切感じられませんでした。失点すると、“前線は早くシュートに行きたい、でも後ろはじっくりと攻めたい”などというバラつきが起きて、チグハグになることも多いですが、柏にはそれは感じられませんでした。同じく先制を許した前節の川崎フロンターレ戦もそうですが、リードされる展開でも焦れずに“チームとしてやることをやる”という意識が感じられました」という。
 つまり、コンパクトに守るC大阪をしっかりと走らせることで体力を削って、仕留めるというイメージだ。また、途中から木下康介を入れて2トップ気味にしたが、「これが1トップ2シャドウを維持したのか、それとも2トップ1トップ下にしたのかは分かりませんが、背後に飛び出す人を増やすのが狙いで、どちらにしてもチームの戦い方は変わらなかった。小泉が間で受けて、垣田と木下が背後に飛び出す。やるべきことに変わりはなかったんです」。

  1. 1
  2. 2
  3. 3