■横浜F・マリノス戦で見せた柔軟な戦い方
今後も同じような戦い方をするとなれば、疲労とのつきあい方も重要となるが、ピッチに立つ選手が目の前の局面にどう対応していくかも大事となる。選手交代で流れを変える局面が他のチームに比べて少ないことになり、同時に、同じメンバーで相手の変化に対応していかなければいけないからだ。
しかし、そのヒントが横浜F・マリノス戦にあった。この試合の後半29分、1点を追う横浜FMのスティーブ・ホーランド監督は4枚替えを行い、システムもそれまでの4-2-3-1から3-4-2-1に変更している。選手配置が大きく変わったことで、井上健太など何人かの選手を捕まえきれなくなった場面もあった。
連戦で迎えた試合の終盤15分だったこともあって、体力的に前に出ていけない場面もある。その中で、いったん、ラインを引くことが決断され、佐々木翔や川辺駿を中心に綿密なコミュニケーションを取りながらコントロールされた部分があったという。
加藤陸次樹は「キャプテンを中心にいったんラインを下げようという話をして、越道選手が入ったときに、彼が2度追い・3度追いするような形であえて(他の)選手を前に出させずに、堅い守備を心がけて」と話せば、田中聡も「80分過ぎてからはそんなに出過ぎなくていいって(川辺)駿くんから言ってもらえたので(やりやすかった)。そこは選手間でもコミュニケーションはとれている」と振り返る。
最後尾から声を出していた大迫敬介も、「ちょっと受身なのは覚悟した上での戦いでしたけど、それ以外のところは、ほとんど相手に決定機を作らせなかった」と、時間と状況に合わせての戦い方に自信を見せた。