■クラブとしてJ1昇格を知るのは強みだ

■補強充実度:A

 昨シーズンJ1得点ランク3位タイのFWジャーメイン良が抜けたが、セレッソ大阪からの期限付き移籍だったFW渡邉りょうが完全移籍に移行。東京ヴェルディ在籍時にJ2で2年連続2ケタ得点をマークしたFW佐藤凌我も迎え、ストライカーは確保した。

 守備ブロックには熊本の守備の中心だった江﨑巧朗、CBでもSBでもプレーできる上夷克典、経験豊富なSB川口が加わった。GKにもアルビレックス新潟から阿部を補強し、元日本代表GK川島永嗣を中心にスキのない陣容を整えた。

 中盤の選手層も分厚く、様々な組合せが可能だ。1シーズンを戦い抜く選手層が整っている。

昇格可能性:A

 保有戦力とクラブの経験値を踏まえ、迷いなく「A」をつけられるだろう。

 21年、23年と2度のJ1昇格を、それも自動昇格圏の2位以内で決めているのはクラブとしての価値ある財産だ。選手だけでなくスタッフにも昇格経験者がいることで、苦境の乗り切りかたを知っているのは大きい。

 とくに23年シーズンは、1年でのJ1復帰を果たした。J1からの降格クラブは他チームから厳しくマークされ、厳しい戦いを強いられることが多いだけに、23年の経験はチームの支えになる。

 今シーズンからチームを指揮するジョン・ハッチソン監督は、横浜F・マリノスで21年、24年に監督やコーチを務めた。日本サッカーを理解しているのは頼もしいが、J1とJ2ではサッカーに違いがある。理想とするサッカーを追求するのは大切だが、J2では勝点奪取を最優先した「わりきり」も必要だ。オーストラリア人指揮官が状況に応じて柔軟に対応できるかどうかも、J1昇格のポイントにあげられる。

(7)へ続く
  1. 1
  2. 2