■中位から確実に勝点を稼ぐために
補強充実度:B
中島元彦の引き留めはかなわなかったが、ストライカーの枚数は確保。昨シーズン終盤からフィット感を高めたエロンを軸に、どちらも184センチの梅木翼と宮崎鴻、新外国人グスタボは力強さが特徴の選手たちだ。彼らが前線で起点になったり、潰れ役になったりしながら、2列目の郷家友太、相良竜之介らがゴールに迫るというパターンがイメージできる。川崎フロンターレからの期限付き移籍を延長したMF名願斗哉も、はっきりとした結果を求めたい選手だ。
高校生の有望株も獲得した。日章学園から加入のMF南創太は、ドリブルが得意なレフティーだ。昨年8月にはU―18日本代表に招集されている。
同じく昨年8月にU―18日本代表に初選出されたFW安野匠も、ベガルタゴールドのユニフォームに袖を通す。帝京長岡高校でエースナンバーの「14」を背負ったストライカーは、アグレッシブなプレーで早期のJリーグデビューを目ざす。
昇格可能性:B
森山監督が就任2年目となり、J1昇格を強く意識するシーズンとなる。
昨シーズンは50得点、44失点だった。得点をさらに増やし、失点は1試合1点以下(38点以下)を目ざしたい。J1自動昇格圏の2位以内を狙うなら、試合数(38)×2の勝点76以上がノルマになる。18勝10分10敗で勝点64だった昨シーズンから、勝点12(4勝相当)を上乗せする計算だ。
そのためには、「10」あった引分けを勝利に変えていく必要がある。ポイントはアウェイゲームだろう。昨シーズンは8勝6分5敗で、得失点差はプラスマイナス「0」だった。ここで勝利数を伸ばすことが、得失点差のプラスを増やすことにもつながる。
また、7位のジェフユナイテッド千葉にシーズンダブルを喫し、8位の徳島ヴォルティスには1分1敗と勝てなかった。10位のブラウブリッツ秋田、12位のロアッソ熊本、13位の藤枝MYFCにも1分1敗と勝利を逃している。上位陣とは互角に戦ったが、中位に苦戦した印象だ。こうしたチームから勝点をつかむことも、今シーズンの成功の条件と言える。
多くの選手が得点を記録するのも大事だが、勝負どころではやはりストライカーの活躍がほしい。横一線の印象があるFW陣から抜け出す選手が出てくることが、昇格の可能性を高めることにつながる。