■山田が挙げる3つの影響

 チームがこの試合のために浦項入りしたのは夜だった。移動時にその気温を体感したものの、「想定よりは……」と感想を言葉にしたうえで、「寒さよりグラウンドの硬さの方がイヤな印象です」とする。
 では、どのような影響があるのか。実際に厳しいコンディションのピッチで練習した中での感想を聞くと、3つの要素が挙がった。
 まず一つ目は、「走り出し」。サッカーにおいて、相手との駆け引きを制する重要な動作の一つだが、「まず、走り出しで滑るので、そこも影響が出ると思います」と話す。
 もう一つは、急減速や動きをストップさせる場面だ。一度走ると、「止まれない」と言う。
 前日練習においても、サイドの選手にクロスを上げてもらうためにスルーパスを出したものの、ボールも伸びるうえに、サイドの選手も止まれなかったという。
「スピードに乗ると止まれなくて突っ込んでしまって危ないので、そこはチームで共有して、パスを出す場所をいつもより足元・足元で組んでやってかないと。スペースを狙うとやっぱり難しくなってくる」
 3つめの要素は「バウンド」だ。ピッチは凍っていることで、とても硬い。だからこそ、想定以上にボールが跳ねるのだという。
 ただし、山田はすでにそれを逆手に取るイメージも膨らませる。跳ねることで時間もかかるため、前線でタメを作る際に活用できること、そして、相手GKにとっても処理が難しいからだ。
「細かい崩しは多分難しくなるかもしれないですけど、キーパーもバウンド処理が難しいのでとにかく全員がシュートを意識していきたい。シュートがうまく行かなくても、とにかく数を打つことが大事だと思います」

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