■その国らしさが出る「徒歩」での国境越え
昔は空港の出口あたりでタクシーの客引きとか、闇の(レートの良い)両替屋とか、荷物運びの手伝いと称した小悪人が寄って来るので“異国情緒”を味わえたものですが、最近ではそういうことも少なくなりました。
その点、歩いて国境を渡ると入国審査(パスポート・コントロール)も国際空港のそれよりも、その国らしさが丸出しですし(たとえばワイロを要求されるとか)、国境を渡った瞬間に「異国に着いた!」ということを体感できます。
1974年の西ドイツ・ワールドカップに行くときに通ったポーランドと東ドイツの国境とか、東ベルリンから西ベルリンに入るときの検問所とか、バスでハンガリーからオーストリアに入るときの国境検査など、東西冷戦時代の「鉄のカーテン」を越えるときの緊張感は今でも鮮明に覚えています。
つまり、緊張感を求めるなら陸上国境でしょう。