■「まじめで手を抜く選手はいない」

 1月7日の始動からまだ時間は経っていないが、それでも、川崎フロンターレの選手から感じるものがあるという。
「フィットネスのレベルは高いと思います」
 こう話したうえで、「まじめで手を抜く選手はいないっていう印象があります、誰1人として」とも語る。
「日本だけで終わるわけじゃないぞ、ここから世界に行くんだというような気概を感じます。(実際に海外に渡った)たくさんの先輩選手の方々がいるので、僕もそういう声をかけやすいです。ウエイトルームの中の会話一つとっても、日本でそれはいいかもしれないけど、海外にはバケモンがもっといっぱいいるぞって」
 ここで海外を例に挙げるのは、樋口氏自身が実際に体感しているからだ。実は、事あるごとにイギリスに渡っている。ストレングスの分野での勉強を深めるためで、「今では実家に帰る回数より多い(笑)」と言うほどである。
 きっかけは2022年のカタールワールドカップが開催された際に、オフシーズンが長かったこと。
「この2か月でサッカーとトレーニングと英語の3つ全部を学べるのはどこだろう」
 そう考えたうえで、イギリスを選択した。アメリカも候補にはあったが、サッカーの要素がないことで選択肢から外したという。
 ジムや講習で研さんを積み、プレミアリーグの試合も観戦。さらには、アーセナルの練習場も見学した。
「日本のスタンダードとしてこういうトレーニングをやってるけど、イギリスの同業者の目線で自分を評価してほしい。どう感じるのか、もし足りないことがあったらその足りない部分を、もし選手でいたときにどういう補助エクササイズを加えればいいのか指摘してほしい」
 現地ではさまざまなプロのフィットネスコーチにそう呼びかけて、自身の成長につなげてきた。

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