
ワールドカップ予選が各地で進み、サッカー日本代表は次の試合に勝てば、本大会出場が決まる。一方で、日本が入るグループCは大混戦。2位のオーストラリアから最下位の中国まで、勝点1しか差がないのだ。日本は、すでに中国との2試合を終えているが、蹴球放浪家・後藤健生は、とっくの昔、半世紀近く前に、中国のスカウティングを済ませていた!
■読むにはとても便利な「漢字」
今では、中国は近代化を遂げています。大都市では自転車より自動車の時代。最新のEV(電気自動車)が走り回っています。
バスもほとんどがEV化されており、バス停のサイネージを見れば、次のバスの到着まであと何分かかるか、一目で分かります。スマホに「百度(バイドゥ)地図」のアプリを入れておけば、次のバスがどこを走っているか、地図上にすべて表示されます。路線を調べるのも簡単です。
1979年当時、もちろん、そんな便利なものがあるわけはありません。
ただ、頼りになるのは、バス停にそれぞれの路線の停留所名がすべて書いてあることだけでした。それを読めば、その路線のバスがどこを経由して、どこまで行くのかが分かるのです。しかも、全部漢字(簡体字)で書いてありますから、日本人にとっては読みやすくて助かります(漢字は、書くのは面倒ですが、読むにはとても便利な文字です。中国語の発音ができなくても、何が書いてあるか一目で分かります)。
しかし、考えてみると、パソコンもスマホもなかったあの時代、盧溝橋行のバス路線をどうやって探したのか、自分でも記憶がありません。おそらく、現地で買ったバス路線が書いてある詳細な地図で探したのでしょう。