
サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような、「超マニアックコラム」。今回は、ゴール裏のアツ~い奴ら。
■インチャが暴力化「バラ・ブラバ」に
「トルシーダがうんちゃらこうちゃら…」と、隣にいたブラジル人の記者があきれたようにつぶやいた。私は「トルシーダって何?」と聞いた。「あいつらのことだよ」。ブラジルではサポーターのことを「トルシーダ」と呼ぶことを初めて知った。
欧州では、多くの国では、サポーターの集団は「ウルトラス」か、「supporters」という英語を翻訳した名称で呼ばれている。しかし、ブラジルでは、ポルトガル語で本来「歓声」を意味する「torcida」と呼ばれているのだ。
アルゼンチンでは「インチャ hincha」である。この言葉は「仲間」を意味するらしい。「インチャ hincha」は、ウルグアイで使われ始めた言葉だという。だが「インチャ」が暴力化すると「バラ・ブラバ」と呼ばれ、これは「フーリガン」に相当する。