■「主力の欠場」で新戦力が台頭

 こうした、戦略的な新戦力の組み込みと並んで、自然発生的にメンバーが更新されることもある。

 アジア最終予選で、日本代表のセンターバックは板倉滉谷口彰悟町田浩樹の3人で固定されている。30歳を過ぎた谷口がますます安定感を増し、若手の町田が左サイドでの攻撃へのつなぎの仕事を見事にこなしたりと、想定以上のパフォーマンスを続けている。

 このメンバーで戦うことになったのは、冨安健洋が故障の連続のため、ほぼ1年間プレーできない状態が続いたからだ。こうして、「主力の欠場」という偶然の産物として新戦力が台頭することもある。

 そして、若手の成長が新陳代謝を起こすのが理想的だ。

 たとえば、その安定した3バックだが、来年のワールドカップ本大会でも同じメンバーで戦うことになるとは限らない。冨安が復調すれば、やはり守備の軸となるだろうし、若手の高井幸大やチェイス・アンリが経験を積めば、彼らがレギュラー入りする可能性もある。なにしろ、フィジカル面を含めて彼らの潜在能力は現在のメンバーを上回るものがあるからだ。(2)に続く。

(2)へ続く
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