後藤健生の「蹴球放浪記」第246回「タイのバンコクで中国人観光客と遭遇…」の巻(1)14億人を抱える隣国で「人口減少」、ロシアW杯を席巻する「中国企業」、かつての日本との「類似点」の画像
2020年のAFC U‐23選手権のADカード。提供/後藤健生

 サッカーを求めて世界中を旅してきたベテランジャーナリストの後藤健生。そんな百戦錬磨の旅人を驚かせるのは、中国の人々だ。蹴球放浪家がスタジアムで、街中で、遭遇した、良い意味でも、悪い意味でも「存在感がありすぎる」隣国の人々!

■厳しい「一人っ子」政策のツケ

 中国で人口減少が始まったと言われています。当然のことでしょう。中国政府はずっと厳しい「一人っ子」政策をとっていたのですから、親となるべき若者の数が減ってくるわけです。今になって、政府がいくら「子どもを増やせ」と号令をかけても、どうにもなりません。

 年金など社会保障政策がまだ十分に行き渡っていない中で人口減少が進めば、社会不安が広がってしまいます。ヨーロッパの先進国は数百年かけて近代化をしましたが、日本はそれを100年ほどで成し遂げました。しかし、中国はそれを数十年のうちに行ったので、社会的なインフラは整備されていません。中国は、軍備拡大などに資源を使っている場合ではないのです。

 それでも、中国が人口大国なのは間違いありません。なにしろ、人口は14億人なのですから。

 中国でバスに乗って旅行していると、本当にそう思います。名前も聞いたことのないような街に差し掛かります。で、「維基百科(ウィキペディア)」や「百度(バイドゥ=中国版ウィキペディア)」で調べてみると、その街の人口が300万人だとか、500万人だとか書いてあるのでビックリするのです。

 東京都の人口が(23区のみで)1000万人弱。人口第2位の横浜市が約380万人、第3位の大阪市が約270万人。そんな、人口300万人級の都市が、中国には無数にあるのです……。

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