■ボランチへの求め方の違い
ランコ・ポポヴィッチから中後雅喜監督体制においては「奪ったボールを前に出せる選手に渡すだけである程度はOK」だったかもしれないが、2025年以降はそういうわけにはいかないかもしれない。指揮官がそのあたりをどう評価するのか。知念というキーマンをうまく使うことも新生・鹿島の成否を左右するポイントになってきそうだ。
ボランチに関しては、三竿もいるし、残留が有力視されるミロサヴリェヴィッチや若い舩橋佑もいる。樋口もこのポジションはこなせるだけに、新たな競争が生まれる可能性が大。そうやってチーム全体が活性化することで「しぶとくギリギリのところで勝ち切れる集団」へと変貌していくのではないか。
ここでタイトルを奪還できなければ、本当に常勝軍団の看板を下ろさなければいけなくなってしまいかねない。最悪のシナリオを回避するためにも、鬼木・鹿島のジャンプアップが強く求められる。その動向を興味深く注視していきたいものである。
(取材・文/元川悦子)