■270名の部員と一緒に

 今年の大津には270人以上の部員がいる。その全員を前向きなマインドにさせ、サッカー・人間性の両面で進化させていくというのは用意なことではない。少しでも落ち度があれば、SNSなどを通して容赦ない批判にさらされる可能性がある。そこにも立ち向かいながら、サッカーを通して子供たちの人間教育を推し進める彼らの取り組みはリスペクトされるべきだろう。
 12月13日に発売された『不易流行』(内外出版社)という単行本には、そんな平岡TAの真摯な思いが凝縮されているという。
「組織運営や教育、子育て、親子関係に悩む人たちに何らかのヒントになれば」
 そんな平岡TAの考えが元に書かれたものだというが、35年間という現場の重みがあればこそだろう。
(取材・文/元川悦子)
(後編へつづく)

(2)へ続く
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