■鈴木優磨の有無の大きさ
鈴木優磨に匹敵する点取屋の存在もさらなる躍進を目指すうえで必要ではないか。鈴木優磨が今季15点をマークしたのは称賛すべき点ではあるが、彼がいる時といない時ではチームの攻撃迫力が全く違うと言っても過言ではなかった。
レギュラーとして試合に出ていた師岡柊生が3点、名古新太郎が5点、仲間隼斗が4点が4点というのも、やはり少ないという印象が拭えない。前半戦だけで7点をマークしたチャヴリッチが来季も残留するのか、残った場合にはシーズン頭から稼働できるのかどうかもあるが、やはり2ケタゴールを取れる人材がもう1枚はほしいところだ。
今季のガンバ大阪は宇佐美貴史という大黒柱に加え、アカデミー出身の21歳・坂本一彩が10点をマーク。チームの成績を押し上げたが、そういう存在が出てくればチームの活性化にもつながる。20代前半の師岡、10代の徳田誉にはぜひともその領域を目指してもらいたい。補強も含め、クラブがどういった動きを見せるのか注目すべきである。
ボランチにしても、来季は三竿が戻って柴崎岳、知念慶の3人を中心に回すことになるのだろうが、三竿も柴崎ももっとパフォーマンスを上げないといけない。特に柴崎はケガの影響もあったのか、本来の輝きをピッチ上で体現する場面が少なかった。
同い年の宇佐美や武藤嘉紀も欧州から戻ってから本領を発揮するまでに長い時間を要したが、2025年は完全復活が強く求められる。高い理想を持つ男だけに、周りから指摘される前に自分自身がトップフォームでないことを認識しているはず。柴崎が持てる能力を出し切らないと鹿島のスタンダードは上がらない。それは誰もが認める点。33歳になる来季は「柴崎、ここにあり」を見せるしかない。