ランコ・ポポヴィッチ監督のシーズン途中の解任、佐野海舟(マインツ)の移籍、チャヴリッチや濃野公人の負傷、鈴木優磨以外の明確な得点源の不在…。2024年の鹿島アントラーズがタイトルに手が届かなかった要因はいくつもある。その中で特に気掛かりだったのが、選手層の薄さだ。
特に気になったのが守備陣。センターバック(CB)が植田直通と関川郁万の2人しかいないという状況が長く続き、彼らが勤続疲労に陥ったのは確かだろう。
シーズン開幕前にヨシプ・チャルシッチとの契約が破談になったのも響いたが、ポポヴィッチ監督は若手の津久井佳祐を3月9日の町田ゼルビア戦で先発させて苦杯を喫して以来、全くと言っていいほど彼を使わず、植田・関川に依存。カップ戦でも使い倒した。
夏場に三竿健斗が加入し、これで一息つけると誰もが思ったはずだったが、公式戦から長く遠ざかった三竿のパフォーマンスがなかなか上がらず、3人を併用するような状況も作れなかった。
結果的に鹿島の通算失点は41と優勝した神戸、3位・町田、4位・ガンバ大阪より多くなった。1試合平均1以下を実現しないとやはり王者の座には手が届かない。来季に向けてCBの補強は必須。左サイドバック(SB)安西幸輝のバックアップ探しも重要になってきそうだ。