【24年も5位フィニッシュ。J1鹿島はなぜ8年連続国内無冠で終わったのか(1)】知念・濃野がベストイレブン入りし、師岡らも成長見せるが、打開しきれなかった鈴木優磨の得点力依存の画像
鹿島アントラーズの鈴木優磨と濃野公人 撮影:中地拓也

 ヴィッセル神戸のリーグ連覇、天皇杯との2冠達成という形で幕を閉じた2024年J1。前半戦を2位で折り返した鹿島アントラーズには「今季こそ常勝軍団復活」という大きな期待が寄せられたが、後半に失速して5位でフィニッシュ。YBCルヴァンカップ3回戦敗退、天皇杯ベスト8という結果を含め、8シーズン連続で国内タイトル無冠という悔しい形で終わってしまった。

 今季の鹿島を改めて振り返ってみると、町田ゼルビアなど国内複数クラブで指揮を執ったランコ・ポポヴィッチ監督が就任。堅守の再構築と鈴木優磨依存の攻撃からの脱却にまずは取り組んだ。
 キャンプ中にキャプテン・柴崎岳が大ケガを負ったことで、指揮官は長くFWでやってきた知念慶をボランチに抜擢。これには本人も周囲も驚きを隠せなかったが、結果的に大成功し、彼は佐野海舟(マインツ)と鉄壁ボランチ陣を形成。最終的にはJ1デュエル王となり、キャリア初のベストイレブン入りを果たした。知念を長く指導した川崎フロンターレ鬼木達監督も「考えられなかった」と話すほどのサプライズ起用ではあったが、選手の秘めた才能が開花するのは素晴らしいこと。これは今季の鹿島最大の収穫と言っていい。

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