■目指すべきクラブとサポーターの関係
そんなサポーターがいるからこそ、森山監督の中で目指すべきクラブとサポーターの関係がある。それは、「“勝ったら、お互いありがとう”、“負けたら、くそ、俺らも足りなかったな”」と、共闘するものだ。
今季、森山監督が認識している選手へのブーイングの回数は1回。そして、その“少なさ”の理由について、「選手自体が戦ってくれたことを、おそらくサポーターの皆さんも、“これだけやってるからあんまりブーイングできないな”」と感じているからではないか、と分析している。
「ちょっと大目に見てくれてるとこもあると思いますけど、選手が頑張ってる姿と、あとは僕らもサポーターのみんながやってくれてることを理解して感謝して、それを選手も分かってるから“ありがとう”っていうのを伝えていると思うんで、いい関係ができている」
とはいえ、そこに頼りきりになるつもりはない。「それに甘えるっていうんじゃなくて、何か一緒にこのチームを良くしていこうぜみたいな、そういう関係でありたいなというところは、僕は思ってます」と言うからだ。
「親とか親戚が応援してるような、俺も頑張るぞみたいな、そういうサポーターと選手たち、クラブっていうのを僕は目指したいんです」
気持ちをとうとうと話す指揮官の表情は、熱を帯びていた。