12月1日、J1昇格プレーオフ準決勝の1試合が、長崎市の「ピースタ」で行われた。その試合後のスポーツマンシップな行動に、指揮官も目を細めた。
一発勝負である。J1昇格を懸けて行われたこの試合は、その決勝の舞台を目指して決着をつける。3位・長崎は引き分けでも勝ち上がることができるレギュレーションで、仙台は敵地での勝利のみが欲せられた。
そしてその仙台が、白星を手にする。しかも、4得点を奪っての3点差のもので、ファジアーノ岡山とのファイナルへの切符を掴んだ。
当然、悔しいのは長崎だ。ホームスタジアムで行われたこの試合には多くの長崎サポーターが駆け付けた。何より、その目標のために1年間を注ぎ込んだ。最終節まで猛烈な勢いで2位・横浜FCを追い上げた。それもすべて、トップリーグでた戦うため。強く願った思いは、完敗を意味するスコアで幕切れとなった。
試合終了のホイッスルが鳴ると、長崎の選手の中には立ち上がることのできない選手もいた。一人では歩けない選手もいた。そうした相手チームに、仙台の選手が近寄ってサポートを始めた。郷家友太、奥山政幸、工藤蒼生らがその代表で、喜びを封印して相手選手を慮った。