2026年北中米ワールドカップ・アジア最終予選で日本代表がインドネシア代表と対戦して4―0で勝利した。その中で、試合開始早々のGK鈴木彩艶のビッグセーブを称賛する声が多く寄せられた。
アウェイの大観衆に加えて、キックオフ直前に降り始めた激しい雨でピッチ状態が一気に変化した試合。開始直後、ボールを支配しながらもリズムを作れない日本に対して、スタメン11人中9人が帰化選手のインドネシアがカウンターを仕掛けた。
前半9分だった。インドネシアが自陣後方から一気に、右サイドのスペースにランニングした最前線のFWラグナー・オラットマングーンへロングボールを送る。そのバウンドが思った以上に伸びると、カバーに入ったDF板倉滉が処理できずに裏を取られ、完全にGKと1対1の状況となった。
ここで大仕事をやってのけたのが、鈴木だった。今年1月のアジアカップでの不安定なパフォーマンスに批判を浴びながら、今季加入したセリエA・パルマで成長を続ける22歳の守護神は、大ピンチにも動じず、ボックス内に侵入した相手に対して両手を広げてゴールマウスに立ちはだかると、キックフェイントを読んで一気に距離を詰めた。そしてシュートコースを完全に消して自分の間合いに引き込むと、最後は相手が苦し紛れに放ったシュートを右足に当てて失点を防いだ。