■左サイド3人の使い分け
前田大然(セルティック)も前回は後半45分間プレーし、途中からは同じクラブの旗手怜央とも慣れた関係性でプレー。「前半は結構、ゆっくりしていたんで、後半に僕とか純也(伊東=スタッド・ランス)君が入って、さらにギアをアップさせて、3点、4点と取れたんで良かったんじゃないかと思います」と一応の手ごたえをつかんだ様子だ。
守備面での貢献度も高く、長い距離をアップダウンできるダイナミックさもアピール。彼もまた「スーパーサブではもったいない」という印象を残したと言っていい。
森保監督は三笘をファーストチョイスと位置づけているし、絶対的な信頼を寄せているのは確かだが、三笘に頼らない左サイドを構築することも急務の課題。となれば、左WB・前田、左シャドウ・中村という異なるオプションもあっていいはず。それを中国戦でチャレンジするかどうかは未知数だが、十分成り立つのではないか。
そういった可能性も視野に入れつつ、中国戦の左サイドを見極めたいところ。いずれにしても、森保監督は試合展開や状況に応じて、彼ら3人を確実に使い分けられる術を見出すことが重要。それが1年半後の2026年W杯本番につながっていく。我々が見据えるのは目の前の敵のみならず、大舞台で対峙する強豪国だ。高みを目指しつつ、最適解を探ってもらいたい。
(取材・文/元川悦子)