苦しんだ末にようやく手にしたJ1昇格。試合終了とともにピッチに座り込んだ横浜FCのDF福森晃斗の“熱い涙”に反響が寄せられた。
1年でのJ1復帰を目指した今季の横浜FCは、堅守を武器に5月から10月にかけて8連勝を含んで20戦負けなしのクラブ新記録も樹立して快進撃を続けた。だが、J1昇格決定を目前とした最終盤に2敗1分けと足踏みし、11月10日に行われた最終節・レノファ山口FC戦に敗れれば、3位転落の可能性もあった。
その運命の一戦。立ち上がりから試合を優位に進めながら得点が奪えないまま時間が過ぎると、次第に相手の時間帯も増え、チャンスも作られる展開となった。しかし、チーム全員が最後まで集中力を切らすことなく、0−0ドロー決着に持ち込み、4度目のJ1昇格を決めた。
死力を尽くし、全精力をかけた末に目標を達成した横浜FCの選手たちは、一斉に喜び、抱き合い、ベンチ前では歓喜の輪が出来上がった。その中で一人、ピッチに座り込み、涙を流したのが、31歳のベテラン、福森だった。
ペナルティアーク付近で座り込んだ福森は、込み上げる感情を抑えきれずに座り込んだまま顔を伏せる。その姿に、チームメイトたちが次々と駆け寄り、背中を叩き、同じDFラインで奮闘したンドカ・ボニフェイスは、肩を抱き寄せて「ありがとう!」の言葉をかけた。