■グスタフソンと佐藤が見せたもの

 柏戦は最後の最後に相手のハンドでPKを獲得し、FWチアゴ・サンタナが決める形で1−0の勝利。残留に大きく前進したが、内容面はまだまだながら、選手たちがそれぞれ直向きに、勝利を求めて戦うという兆しは感じられるゲームだった。
 そこから1週間が経っての横浜F・マリノス戦ということで、サミュエル・グスタフソンの展開力を主な攻撃の起点にサイドからチャンスを作り、後ろからは出場停止のマリウス・ホイブラーテンに代わり、左のセンターバックでスタメン起用された佐藤瑶大が、井上黎生人とのコンビで相手エースのアンデルソン・ロペスを抑えながら、攻撃では対角のロングパスや縦に差し込むボールで、アクセントを生み出した。
 アタッキングサードにボールを運んでから、フィニッシュまで時間をかけてしまうシーンが多かったが、佐藤の縦パスから松尾が飛び出して、推しくもオフサイドになった場面や井上を起点に、松尾のポストから渡邊のスルーパスにFWブライアン・リンセンが抜け出したシーンは、フィニッシュがうまく行けばゴールという形だった。正直、長過密日程のマリノスが体力的に足が止まったり、間延びしたところを利用できた側面もあるが、スコルジャ監督が就任してからの試合では一番ビルドアップからチャンスメイクが形になった試合だった。

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