【監督交代から2か月。”残留争い”を強いられた浦和レッズが取るべき道筋(1)】監督交代と守備の整備が招いた戦術的混乱……横浜FM戦では前進見せるもスコアレスドローの画像
浦和レッズの二田理央は横浜F・マリノス戦でオフサイドにはなったもののチャンスを演出した 撮影:中地拓也

 浦和レッズはアウェーの日産スタジアムで横浜F・マリノスとスコアレスドロー。勝ち点1を分け合う形でともに勝ち点を43として、J1残留に一歩前進した。この勝ち点1をどう捉えるかは視点によってかなり変わってくる。

 浦和にとって日産スタジアムは5連敗中の”鬼門”であり、マリノスが超過密日程、しかも天皇杯の準決勝で延長戦の末に、ガンバ大阪に敗れた3日後の試合ということを差し引いても、難しいゲームになるのは分かっていたことだ。それでもセンターバックのマリウス・ホイブラーテンを出場停止で欠く中、マチェイ・スコルジャ監督が構築する守備の強みを出しながら、惜しくもオフサイドに嫌われた2つのシーンを含む、決定的なチャンスを何度か作れたことはこの数試合のなかで、確かな前進だろう。
 4ー3ー3をベースとした攻撃的なサッカーを掲げた、ペア=マティアス・ヘグモ前監督がシーズン中に契約解除となり、昨シーズンの浦和を率いたスコルジャ監督に交代したことが、ここ数試合のチームの混乱を招き、結果して終盤戦で”残留争い”に巻き込まれる要因になったことは間違いないだろう。ヘグモ前監督は左右のウイングを生かしたスタイルで、前半戦から攻撃面は一定の成果を得たが、相対的に守備の強度や安定感が弱まり、34試合で27失点だった昨シーズンより、1試合あたりの失点数が大幅に増えてしまっていた。

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