■問わざるを得ない「委員長の責任」
試合後の記者会見で、佐々木監督代行は久しぶりに指揮を執った点について「監督を決めていなかったから、こういう立場になった」と自虐的なコメントで笑いをとっていたが、まさにその通りだ。
本来なら、次の目標に向けて新監督の下でのスタートとなるべき試合だったにもかかわらず、新監督を決められなかったこと。そして、チーム強化に役に立ちそうな“歯ごたえのある”相手とのマッチメークができなかったこと。2つの意味で、女子委員長としての佐々木則夫氏の責任を問わざるを得ない試合だった。
また、もし後任監督が決まらなかったのだとしても、何も「昔の名前」を引っ張り出すべきだったのかという疑問も感じる。
たとえば、コーチとしてベンチに入った狩野倫久前U-20女子代表監督を暫定監督として指揮を執らせてもよかったのではないだろうか?
池田太監督も、その前任の高倉麻子監督も、ともにU-20代表監督を経てフル代表(なでしこジャパン)の監督に就任したのだ。とするなら、次期監督としても狩野監督がそのまま昇格してもおかしくはなかった。
僕は、U-20ワールドカップでの指揮ぶりを見て、狩野監督にはもう少し、実戦の経験を積んでほしいので代表監督への昇格には反対だが、ただ、狩野監督に経験を積ませるという意味では、今回の韓国戦で指揮を執らせてみることも意味があったはずだ。
今後、現場に復帰することはないであろう(?)佐々木則夫氏がこの試合で代行を務めたことも、それがどれだけ意味のあることだったのか。