■3試合で14ゴールは「偶然じゃない」

大住「危ない場面も、人間らしくて、むしろ良かったくらいかな(笑)。後藤さんが言うように、最終予選10戦を無失点で全勝なんて記録を残したら、かわいげがないよ(笑)。ところで、オーストラリアと中国の対戦は見た?」

後藤「見たよ」

大住「この予選を見て全般的に感じるんだけど、決定的なチャンスをつくる力というのが、日本と他のチームとではかけ離れているよね」

後藤「オーストラリアと中国の試合を見ても、チャンスは偶然生まれていた。昔の高校サッカーみたいに、前に蹴って、前の選手が頑張って何とかつないで、という感じで」

大住「中国の先制点なんて、まさにそんな感じだった。そういう五分のチャンスでも決め切るかという問題はあるけど、サッカーというのはペナルティーエリアに入ってシュートを打つというのが、一番の得点の確率の高いパターン。その形をどう繰り返しつくるかというのが、チームとして努力すべきところなんだけど、それをつくる力が日本と他のチームでは大きく違う。C組の他のチームだと、インドネシアが一番高いかな、という感じ」

後藤「日本の場合は、数はそんなにたくさんじゃないけど、ここぞという場面でパスをつないで意図的にチャンスをつくって、ちゃんと仕留められるところまでいっているんだよね。ついこの間(30年前)までサウジアラビアに及びもしなかったんだから偉そうなことは言えないけど、他の国は偶然に頼っている」

大住「3試合で14ゴールというのは、偶然じゃないよね。1人が大当たりして、というのでもなく、チームで崩して、ちゃんと点を取っている。他の組を見ても、日本ほどの力を持ったチームはいないよね。イランも見たけど、最前線のメフディ・タレミ頼みのような感じの攻めをしているし。今回見た中では、インドネシアが一番攻めをキチンとやっているという感じがしたな」

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