■「もっと早く気がつくべきでした」

 ぎりぎりの攻防は相手キーパーに軍配があがった。もっとも、ここで素朴な疑問が残る。サイドハーフの瀬川が、なぜ光州ゴール前の中央にいたのか。

「あの時間帯はいろいろな選手が降りるとか、裏を狙うといった形で、ポジションを決めずにビルドアップに関わっていた名残で、空いているところに走りました」
 流動的なポジショニングが奏功したと明かした瀬川は、さらにこう続けた。
「前半の30分すぎくらいから、相手がマンツーマンでくる分、形を決めずに流動的に走りながらパスを回していました。それまでは立ち位置を決めてプレーしようとして、相手にはめられ続けていた。さらに予想以上に相手のビルドアップの質も高く、うまくはめられなかった。そこにストレスを感じすぎていたなかで、選手同士で話して変えていったんですけど、もっと早く気がつくべきでした」
 5-1で快勝した9月27日のアルビレックス新潟戦に続いて、公式戦で先発フル出場を果たした山本も、敗因を「前半のすごし方です」と振り返る。
「ビルドアップするチームに対して、マンツーマンでこられると苦戦するのがわかっていた。そこで前半をある程度、しょうがないと割り切れるかどうか。押し込めば相手の全員が戻る、というスカウティングも入っていたので、ああいう(流動的な)攻撃を前半のもっと早い段階からできれば。そのへんはまだまだかなと思う」

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