ドイツ1部でプレーする元日本代表FW町野修斗が、強豪を相手に2ゴールを記録した。特に見事なボレーで決めた2点目が、ファンの興奮を高めている。
今や、日本代表選手のほとんどがヨーロッパでプレーする。しかも、アーセナルやモナコ、バイエルンと、5大リーグのトップクラブに所属する選手もいるほどだ。
ヨーロッパでプレーしていることが、日本代表入りを保証するものではない。だが、地道に結果を出している選手たちもいる。そのひとりが、2023年に湘南ベルマーレからホルシュタイン・キールに移籍した町野である。
町野は2018年、翌年にJ1を制することになる横浜F・マリノスでプロキャリアを歩み始めたが、J1デビューを果たすまで3年を要した。ルーキーイヤーは公式戦への出場はなく、翌2019年にはギラヴァンツ北九州へ期限付き移籍してJ3を戦った。完全移籍に切り替えた2020年には昇格に貢献したJ2の舞台でも活躍を続け、J1を戦う湘南からのオファーを勝ち取った。
ドイツでも、同じような道をたどった。移籍したキールは戦後のブンデスリーガにおいて、一度も1部リーグを戦った経験がなかった。そのチームで地道に出場時間と得点を重ねていった。個人とチームが成長を続けた先に、歓喜の1部昇格が待っていた。
だが、1部リーグは甘くない。町野は開幕戦で1ゴールを挙げていたが、チームは前節を終えた時点で4戦未勝利だった。それでも町野は体を張り続け、前節には交代出場ながら1ゴールを記録し、勝点1獲得に貢献していた。
現地時間9月29日に行われた強敵アイントラハト・フランクフルトをホームに迎えた一戦で、町野は先発のピッチに戻ってきた。そして、またも仕事を成し遂げた。
まずは1点ビハインドで迎えた前半28分、左サイドから正確なクロスを送る。このボールが相手DFのファウルを誘発し、PKを獲得。このチャンスを町野がしっかり決めて、試合を振り出しに戻した。
さらに前半36分には、チームのハイプレスから最後は町野がボレーでゴールネットを揺らす。これは一連のプレーでファウルがあったとして認められなかったが、この試合2点目は幻とはならなかった。