後藤健生の「蹴球放浪記」第230回「世界各国の超便利、駅近スタジアムの数々」の巻(1) 鳥栖の駅前スタジアムVSバーゼルの駅プラットフォーム直結スタジアムの画像
アイルランドのスタジアムで見た1998年のアイルランド対アルゼンチン戦入場券。提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生は、世界を巡る。もちろん、サッカースタジアムを訪れるためだ。国内外を渡り歩いてきた蹴球放浪家が選ぶ、世界で最も便利なサッカースタジアムはどこか?

■まさに駅前スタジアム

 サガン鳥栖のホームスタジアムは1996年に完成した「駅前不動産スタジアム(略称、駅スタ)」です。不動産企業である「駅前不動産ホールディング」が命名権を獲得したので、2014年からこう呼ばれています。

 このスタジアムはJRの鳥栖駅から近いことで有名ですから、「駅前スタジアム」とはまさに言い得て妙の素晴らしいネーミングです。

 スタジアムが駅から近いのは国鉄(日本国有鉄道=現在のJR)の操車場跡地に建設されたものだからです。そもそも、佐賀県東部にある鳥栖市はJRの鹿児島本線と長崎本線の分岐点として発展した都市です。

 鉄道施設を思わせるスタジアムの金属的なデザインとともに、「駅前スタジアム」という名称も、そうした鳥栖市の歴史を思わせるもののように感じます。

 いずれにしても、鉄道駅から近いスタジアムは大変に便利です。とくに、アウェーの観客にとってはありがたいのではないでしょうか。

 日本には、その他にも駅から近いスタジアムがいくつかあります。

 たとえば、2020年に完成した京都サンガF.C.の本拠地、「サンガスタジアム by KYOCERA」もJR亀岡駅から至近距離にあります。南側サイドスタンド裏のコンコースに出ると、亀岡駅のプラットフォームが目の前に見えます。プラットフォームからの跨線橋を建設すれば、もっと便利になることでしょう。

 そういえば、10月にオープンする「長崎スタジアムシティ」もJR長崎駅のすぐそばだそうですね。

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