■「ギャンブルではない」攻撃的な選手の起用

――森保監督の采配をどう評価しますか。

後藤「違いをつくったのは、相手との力関係を見極めて、両ウィングバックに攻撃的な選手を起用したことだよね。アルゼンチンやスペインのような強い相手にはそうはいかないだろうけど、三笘薫堂安律を左右に置いて、試合の流れを渡さなかった。中国は前半、両サイドハーフが中に入ってサイドバックが上がるという、変則的なやり方で流れをひっくり返そうとしていた。でも、そういうことにも問題なく選手間のコミュニケーションで対応できるくらいに、個々の能力が高かった」

大住「言ってみれば、三笘と堂安をウィングバックで使うというのは、ギャンブルにも見えるわけだよ。カタール・ワールドカップでもそういうことはあったけど、当時は仕方なくやっている、まさにギャンブルだった。でも今回の彼らは、守備に対する意識の高さやポジション取りの正確さとか、守備面でも計算できる選手になっていた。堂安なんて、“本職はサイドバックじゃないの?”と思うような時間帯もあったくらい。そういう個々の成長が、チーム力の向上に顕著に表れている」

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