川崎、横浜FM「タイトル独占」6年の余波、2部の慶應大からオランダ1部へ移籍する「19歳FW」【日本がベルギー級「輸出大国」になる日】(2)の画像
強化指定選手として横浜FMでもプレーしていた塩貝健人(写真中央)は、オランダ1部NECナイメヘンに移籍する。撮影/原壮史(Sony α-1使用)

 日本のサッカー界は、着実に成長している。ワールドカップやオリンピックなど大舞台での活躍はもちろん、その進化は日々の活動にも表れている。数多くの選手たちを世界の舞台へと送り出す日本サッカー界の「育成力」について、サッカージャーナリスト後藤健生がリポートする。

■強化の波は「下位リーグ」にまで

 男子のサッカーでは、強化の波は下部リーグにまで広がっている。

 2010年代中頃に、川崎フロンターレ横浜F・マリノスが攻撃的サッカーで一世を風靡した。この、神奈川県の2チームが6年間にわたって、J1リーグのタイトルを独占した。

 彼らの攻撃サッカーを止めるために、他のチームは当初は引いて守るしかなかったが、次第にハイプレスで対抗するようになり、今ではJ1リーグではカウンタープレス型のチームが上位を占めるようになった。

 こうして、J1リーグのレベルアップが一気に進むと、それから2、3年ほどたってからJ2リーグのサッカーもすっかり変化。J1リーグ以上に、それぞれのチームスタイルを発展させながら、J1昇格を懸けて激しいバトルが繰り広げられるようになった。

 そして、さらに強化の波は下位リーグに広がっていく。

 J3リーグは、最近まで「降格」がなかったため、監督の発想を生かす自由なサッカーが多かったが、2023年からJFLとの入れ替えが実施されることになったため、勝負の懸かった真剣勝負が多くなった。

 強化の波はさらに広がっていく。かつては「アマチュアの雄」Honda FC(本田技研)が圧倒的な力を誇っていたJFLも、このところすっかり群雄割拠(今シーズンは、高知ユナイテッドが独走状態)。激しい、ハイレベルのバトルが繰り広げられている。そして、さらに、その下の地域リーグのレベルも次第に上がってきている。

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