小久保スタメン「守備の陣形が落ち着いてきた」

「小久保選手がスタメンになり、守備の陣形も落ち着いてきたことで、引き分けに持ち込めたのではないでしょうか。

 小久保選手と藤田選手のパス交換は信頼し合っている間柄だからこそ。相手の流れを断ち切るようなタイミング、相手のリズムを外すようなタイミングでパス交換を行っていましたね。ただ、小久保選手はパリ五輪のときよりも、険しい表情で指示を送っているシーンが目立ちました」
 いまだ勝利なし、チーム状況がチーム状況だけに、笑ってはいられなかったのだろう。では、パリ五輪のマリ戦などで値千金のゴールを決めた山本はどうだったのか。渡辺氏が続ける。

「藤田選手も山本選手も、それぞれ見せ場は作ったものの、攻守ともにボールの競り合いで勝てない場面も。攻撃に入ったときもドリブルで前に進めず、潰されてしまう場面も多々ありました。

 五輪のときのように、もう少しお互いが近い場所でパス交換できれば、チャンスにつながったような場面もありました」
 惜しいチャンスもあったシント。だが、完封されてしまった理由の一つには、日本代表でメキメキと評価を上げている、ユニオンのあの男の存在があったことは否めないだろう。

藤田同様、らしくない場面もあった山本理仁。パリ五輪の疲れが抜けていないのか。撮影/渡辺航滋(sony α-1)
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