■G大阪が優勝のために必要なもの
ランコ・ポポヴィッチ監督の基本方針に大きな変化はないと見られる中で、一巡目からのプラスアルファをどれだけ出していけるか。その意味でも夏に加入した田川亨介やターレス・ブレーネル、またポポヴィッチ監督いわく、ようやくコンディションが上向いてきた”ライコ”ことミロサヴリェヴィッチの奮起などに期待がかかる。攻撃の決め手という意味で本来頼りになる、ここまで7得点のチャヴリッチが、ラスト5ぐらいで戻ってきたらラストスパートのキーマンになりそうだ。
ガンバ大阪は失点数が首位の町田に次いで少ない22だが、得点数が28試合で32というデータの通り、ロースコアで粘り強く勝ち点を掴む戦いを続けてきた。しかし、ここに来てマリノス相手に4−0の大勝を飾ったかと思えば、神戸、福岡とは2−2で引き分けるなど、前半戦と様相が変わってきているのは軽視できない点だ。ただし、福岡戦はボール保持率でもチャンスの数でも大きく上回りながら、PKとCKからの失点。もったいないながらも、前向きな試合内容ではあった。
ボールを大事に動かしながら崩す、ダニエル・ポヤトス監督の基本スタイルに、中谷進之介を中心とした堅守、宇佐美貴史を起点とした速攻を織り交ぜるハイブリッドな戦いぶりは興味深いが、追う立場として、勝点3を積み重ねて行くには守備やポゼッションの安定にプラス、何か爆発的な要素は必要だろう。ここに来て、エースストライカーの片鱗を見せつつあるFW坂本一彩は言わずもがな、ポテンシャルはあるが、やや燻っているタレントの台頭があるか。