■ライバル勢に見られる”町田慣れ”

 ただ、二巡目にして少しパフォーマンスに停滞が見られる理由としては夏場の疲れもあるかもしれないが、プレー強度が目に見えて落ちている訳ではない。走行距離やスプリント回数は相変わらず、相手を上回っている。

 それよりも、J1のライバルが”町田慣れ”してきているのは大きいだろう。夏に補強した白崎凌兵杉岡大暉相馬勇紀中山雄太といったハイスペックな個の力を持つ選手たちの真価が問われてくるのもここからだが、本来の能力からすれば、昨シーズンJ2最優秀選手のエリキなどの奮起も期待したい。

 昨年の神戸もそうだが、初優勝の正念場はやはりラスト10、ラスト5といったところにあり、ここで踏み外してしまえば、優勝どころか、ACL圏外に落ちてしまう危険もある。そうした意味でも、昨年の昇格メンバーも含めた総合力に注目したい。

 現在の勢いを見る限り、広島が日本代表森保一監督に率いられた2015シーズン以来、5度目のリーグ優勝を果たす可能性はかなり高い。筆者も優勝候補の一角に挙げてはいたが、未知数な要素として見ていたのは新スタジアムで、完全なホームアドバンテージを取るには時間が必要と考えていたこと。現在はホームでもアウェーでも強いという状況なので、そこの不安要素が完全に取り除かれたかは不明だが、ゲームの主導権を握りながら、勝ちきれなかった前半戦から、流れが変わってきている。

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