明治安田J1リーグ第26節、サガン鳥栖対浦和レッズ戦が駅前不動産スタジアムで行われた。試合は1対1の引き分けに終わった。
鳥栖は川井健太前監督が契約を解除され、新監督の木谷公亮が就任した。一方の浦和は、キャプテンの伊藤敦樹が海外クラブへの移籍する準備のために試合には出場していない。両チームともに緊急事態の状況下での戦いとなった。
■鳥栖ワントップ「数的に優位も対応が難しい」
特に浦和はケガ人が多く、ベストメンバーが組めない状況や、主力メンバーの相次ぐ移籍など、クラブ内に大きな問題を抱えていることは明白である。語りえることはたくさんあるが、このコラムでは試合の中で、ピッチの上で何が行われ、何が行われていないのかに焦点を当てて記述していく。
DAZN JAPAN公式ユーチューブなどにあるサガン鳥栖×浦和レッズの激闘ハイライトの場面(https://www.youtube.com/watch?v=V5rg8mfiSFs)に沿って解説していくことにする。
読者の皆さんは実際の映像を見つつ、このコラムを読んでもらえば、よりいっそう語っている内容の意味がわかるはずである。
鳥栖のフォーメーションは「4-2-3-1」で、浦和は「4-3-3」の中盤が逆三角形になっている。システムを組み合わせると、中盤の3人はマッチアップ状態になる。浦和の守りにくいところとしては、浦和のセンターバック(以降、CB)2人に、ワントップの鳥栖。ディフェンダー(以降、DF)2人と1人のフォワード(以降、FW)の状況は、FWの動きによって、DFのマークとカバーがずれてしまう場面が出てくるので、数的には優位だが、意外と対応が難しい。
逆に、浦和は3トップなので、鳥栖の両サイドバック(以降、SB)の背後のスペースが狙われやすい。鳥栖のSBが高い位置を取っていた場合、浦和のウイング(以降、WG)を後追いする状況になりがちなので、フォローに回る味方のCBの対応が重要になってくる。
まずは、25分の浦和のコーナーキックの場面から見ていこう。渡邊凌磨が蹴る前の浦和の配列を見てもらいたい。