■早坂勇希が見せたもの
早坂は公式戦で出場こそしていなかったものの、大学時代、そして、川崎でのトレーニングマッチで健さんを積んできた選手。それだけに、この日も立ち上がりから落ち着いたプレーを見せた。そして、その自慢の声で味方をアシスト。2万人超えの大観衆で声が通らなければ、直接近寄って話しかけた。
そんな早坂勇希には、ファン・サポーターから以下のような声が上がっていた。
「早坂勇希 選手を勝たせたいと思った試合だった」
「絶対ハヤはフロンターレの守護神に将来なる」
「マリサポ側に一礼したり、PK最後まで我慢したりで凄かったから応援する」
「早坂のデビュー戦を現地で観れたのは何よりも幸運」
さらに、早坂にとってより注目を集めたのが後半13分のPKの場面だ。相手に与えたこの場面で、早坂が対峙したのはアンデルソン・ロペス。J1リーグで昨季の得点王にも輝いたエースFWである。
そのロペスが蹴ったボールを読み、自身の左に飛ぶ。伸ばした左手の先にわずかにボールが触れたかに見えたが、ボールはゴールイン。相手に先制点を献上してしまう。
この場面にも、「アンロペPKは触っただけでも凄い!」「コースは読めてただけに悔しいPK」「早坂はアンロペのPK触れてるの本当に凄いと思った」といった声が。
また、失点時には悔しさを露わにしたものの、直後、PKを与えた橘田健人の元へ。そして、その背中を叩いて、切り替えるようにしていた。この落ち着きある行為にも、「早坂、決められた直後に、ファールしちゃった橘田へ声かけてるんですよね。素晴らしかった!」「すぐに橘田のところ行ったのいいな。気落ちしてる場合じゃないもんな」といった声が並んだ。
この試合で、川崎は1-3で敗戦。連勝を3から伸ばすことができなかったが、チャンスを作っただけでなく、早坂の経験にもなるなど、次につながる90分ではあった。
次戦は、埼玉スタジアムで迎える浦和レッズ戦。この試合でゴールマウスを守るのは誰か、そして勝利を掴めるか――。