【J2「真夏の進化」】ベガルタ仙台、MF相良竜之介の強烈股抜き決勝点で勝ち切る FWエロンの働きで出る攻撃の変化【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
決勝ゴールを決めた仙台MF相良竜之介  撮影/中地拓也
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■エロンの先発起用で仙台に生じた変化

 J2リーグが8月10、11日に第26節が開催され、6位のベガルタ仙台は10日、17位の水戸ホーリーホックと敵地で対戦した。

 森山佳郎監督が指揮する仙台は、前節のホームゲームで清水に2対1で競り勝った。ハイプレスを何度も繰り出し、試合のイニチアチブを握った。

 仙台はその前節と同じスタメンでスタートする。システムはいつもどおりの4-4-2で、3-4-2-1で構える相手とはミスマッチが生じる。攻撃でどうやってシステムのズレを生かし、守備ではどうやってズレを埋めるのかが、この試合のポイントだ。

 森直樹監督が指揮する水戸は、24節の横浜FC戦で2対2のドローゲームを演じ、前節は敵地でV・ファーレン長崎を2対1で下している。上位相手に勝点をつかんできた相手は、前線からのプレスで仙台の前進を阻んできた。仙台は自陣からビルドアップを試みつつ、ロングボールも使って局面の打開を試みる。

 32分、GK林彰洋のロングフィードをFWエロンが収め、MF中島元彦へあずけてゴール前へ出ていく。中島からのリターンパスを相手DFと競り合いながらキープすると、GKとの1対1へ持ち込んだ。

 エロンはこの日まで18試合に出場しているが、ゴールをあげることができていない。しかしながら、およそ4か月ぶりの先発となった前節、フィジカルの強さを生かして前線で起点となった。今節も同様な働きを見せていく。

 エロンを前線に置くことで、中島を2トップの一角ではなく2列目で起用できるようになったのはチームにとってメリットだ。背番号7のパスセンスを、これまで以上に生かすことができている。

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