【J2「杜の都激突」】清水エスパルス、ボランチ宇野禅斗の鮮烈ミドルで追いつくもベガルタ仙台のハイプレスに苦しみ黒星 アウェイの苦手意識継続【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
清水はまたもやアウェイで黒星  撮影/中地拓也

■清水は苦手のアウェイで開始早々に先制点を献上

「超攻撃的」が、悔しさを噛み締めた。

 J2リーグ第25節が8月3、4日に行なわれ、首位の清水エスパルスは3日、6位のベガルタ仙台とアウェイで対戦した。7月中旬からの中断を経て、およそ3週間ぶりの試合となる。

 清水は4バックの両サイドを務めるDF山原怜音、DF原輝綺がメンバー外だった。一方で、DF住吉ジェラニレショーンが6試合ぶりに先発に名を連ねた。DFラインは右から北爪健吾高橋祐治、住吉、吉田豊の並びとなった。

 中盤では新加入の宇野禅斗(町田から育成型期限付き移籍)がダブルボランチの一角に名を連ねた。システムはいつもの4-2-3-1である。

 試合はいきなり動く。4分だった。左サイド深くで仙台の執拗なプレスを受け、立て続けにボールを引っ掛けられる。ペナルティボックス周辺でこぼれ球をうまくつながれ、FW中島元彦に蹴り込まれてしまった。

 その後も仙台のハイプレスにあうが、清水は落ち着いてボールをつないでいく。トップ下の乾貴士、両翼のルーカス・ブラガとカルリーニョス・ジュニオ、さらには1トップの北川航也のカルテットは、J2でも屈指の破壊力を誇る。この日は両翼がハーフスペースに立って乾と北川との距離感を詰め、彼らの連携で狭い局面を打開していく。17分にはルーカス・ブラガのドリブル突破と乾のランニングがシンクロし、パスがつながれば決定機という場面を作り出す。

 4人の動きに引っ張られて仙台が内側へ絞ってきたら、SBが外側のスペースを突いていく。明確な狙いを持ったなかで、38分に同点弾が生まれた。

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