■世界の強豪と戦うために「必要なこと」

 東京オリンピック後に就任した池田太監督は、過去10年間で一挙にスピード化した世界の女子サッカーに対抗すべく、チームづくりをしてきた。ラウンド16までの見事なスピードサッカーを封じられ、準々決勝でスウェーデンに屈した昨年の女子ワールドカップに続き、今大会も準々決勝に進出しながら延長戦でアメリカに敗れるという結果となった。
 アメリカだけでなく、スペイン、フランス、カナダ、そして今大会には出場していなかったがイングランドなど、スピードと正確な技術をもち、当然ながらもフィジカルに優れた世界の強豪に対抗するには何が必要なのか。それは、もう一段階の「世代交代」ではないか。
 当初18人しか選べないメンバーに、池田監督は昨年のワールドカップで活躍した藤野(20歳)だけでなく、浜野まいか(20歳)、谷川萌々子(19歳)、18歳の古賀という若い選手を4人も含めた。そして、ブラジル戦での活躍はあったものの、大会前の負傷の影響で谷川はその才能を発揮仕切れたとは言えなかったが、他の3人は十二分に力を発揮した。
 3年後の次回女子ワールドカップ、そして2028年のロサンゼルス・オリンピックに向けては、当然、こうした世代がチームの中心になる。その土台づくりとして、今大会は大きな成果を得たのではないだろうか。

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