サイドを起点に「美しい」2ゴールが生まれた
ナイジェリアに3-1で勝ち、グループを2位で突破したなでしこジャパン。だが「光と陰」が明確になった試合でもあった。
立ち上がり20秒でいきなり右ウイングバックの守屋都弥(みやび)がぶちぎられ、ピンチを招いたなでしこジャパン。フィジカルだけなら世界ナンバーワンと言っても過言ではないナイジェリアを相手にどう戦うのかが注目だったが、こうした状況が繰り返されたら、本当に厳しい試合になっただろう。
そうならずに済んだ最大の理由、それは「プレースピード」だった。なでしこジャパンは次第にフィジカルの差にアジャストし、的確なポジションを取ることでパスのテンポが上がり、ナイジェリアのフィジカルにさらされずに前進できるようになる。
両ウイングバックが生きた。大会前の負傷でこれまでベンチ外だった北川ひかるが左ウイングバックで初出場し、タイミングの良い上がりと左FW植木理子とのコンビで左からチャンスをつくった。右ウイングバックの守屋も、果敢な上がりで先手をとっていく。
そのリズムの中で美しい2点が生まれる。
先制点は前半22分。熊谷紗希からパスを受けてターンした長谷川唯がスペースを使ってもちあがる。左タッチライン沿いに北川が上がり、その内側を植木がゴールに向かって動き出すと、ナイジェリアの守備はぼやけ、植木がフリーになる。そこに長谷川のスルーパス。ペナルティーエリア左に抜け出した植木が冷静に中央にボールを送ると、走り込んできた浜野まいかがゴールに押し込んだ。
さらに10分後、今度は右サイドだ。