■トップチーム昇格を狙う「質も強度も高い」試合で…


 すでにオフシーズンとなっている欧州において、この日は久々に訪れた実戦の機会。フォルトゥナ・デュッセルドルフとブレーメンによる試合は、セカンドチームのテストマッチにもかかわらず有料で、観客を入れて行われた。
 気温23度の晴天で、涼しく快適な1日となったこの日は、赤ちゃんをベビーカーに乗せた近所の家族や、ピッチの向かいのカフェでビールをプラスチックカップに入れてもらった地元のファンなど、100人ほどが訪れた。
 未就学児であろう小さな子どもたちがスタンドを歩き回り、大人たちは友人と、あるいは顔なじみのゲートキーパーやチーム関係者たちと和やかに歓談するスタジアムは、ドイツの人々にとっては日常の一部であり、休日の社交場だった。
 のどかな雰囲気の中で行われた試合だが、この時期のテストマッチは、選手たちにとって重要なアピールの場。
 トップチームへの昇格を狙う、というだけでなく、このオフに新しくセカンドチームにやって来た選手たちや、まだ公式リストに登録されていない練習参加中の選手らが混在しており、質も強度(プレーの激しさ)も決して低くない。
 ブレーメンの選手の中には、V・ファーレン長崎(昨シーズンは松本山鹿へ育成型期限付き移籍)のジョップ・セリンサリウの姿もあり、彼は後半にプレーした。
パリ五輪出場のため、フランスへと渡る直前の佐藤は、前半限定での出場となった。

練習試合に参加したV・ファーレン長崎のジョップ・セリンサリウ(左)。撮影/原壮史(Sony α‐1)
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