■ランキング上位は「16チーム中5チーム」

 パリ・オリンピックに最強チームで臨めないのは残念なことではあるが、それは日本サッカーがレベルアップしたことの証拠でもある。23歳以下の選手が、これだけ多くヨーロッパで活躍するようになったのは、日本の成長があったからだ。

 しかも、必ずしも23歳以下の世代の最強チームではなかったとしても、それでメダル獲得が不可能になったわけではない。このメンバーでも、パリ・オリンピックで十分に戦えるのではないか。

 16か国しか参加できないオリンピックの男子サッカーは“狭き門”だ。そのため、五輪サッカーで2連覇中だったブラジルも、2016年リオデジャネイロ大会銀メダルのドイツも、2012年ロンドン大会優勝のメキシコも予選で敗退して、パリ大会には参加しない。16チームのうち、FIFAランキングで日本より上位なのはわずか5か国に過ぎない。

 もちろん、FIFAランキングとオリンピックは別物ではあるが、優勝候補はランキング上位のアルゼンチン(2004年アテネ大会、2008年北京大会で金メダル)、フランス(開催国)、スペイン(2021年東京大会銀メダル)の3か国だろう。そして、日本はアメリカやモロッコとともに3か国を追う2番手グループを形成している。

 良いコンディションで大会に臨み、しっかり相手を分析して、全員がハードワークを惜しまずに冷静に戦えば(そして、ほんの少しの幸運があれば)、メダル獲得は十分に可能だと僕は信じたい。

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