大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第141回【8大会連続へ「サッカーW杯出場」のハードルは上がったのか】(1)西アジア遠征2回の「幸運]とアジア最終予選の「実際」、出場枠は「8.3333…」に!の画像
W杯アジア2次予選を無敗で終えた日本代表。組み合わせも決まり、「最終予選」に挑む。原悦生(Sony α1使用)

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような、「超マニアックコラム」。今回は、8.333…枠に入る確率。

■死の組報道も…「2つだけでよかった」

 秋田県とほぼ同じ面積しかない小国カタールでの大会から、約1900倍、気が遠くなるほど広大な北米大陸の3か国(カナダ、アメリカ、メキシコ)を舞台とする大会へ―。2026年ワールドカップの「アジア最終予選」の組分け抽選が行われ、試合日程も発表された。

 8大会連続出場を、そして「優勝」を目指す日本は、オーストラリア、サウジアラビア、バーレーン、中国、そしてインドネシアとともにC組に入り、9月10日木曜日、中国とのホームゲーム(埼玉スタジアム)で予選のスタートを切る。

 2022年カタール大会に出場した6チーム(日本、韓国、オーストラリア、サウジアラビア、イラン、カタール)のうち3チームが集まったことで、C組を「死の組」と表現するメディアもあるが、私は、「西アジア勢が2つだけでよかった」という思いが強い。なにしろ今回の「アジア最終予選」の出場18チームは、9チーム、すなわち半数が、イランを含む西アジアだったからだ。

 10時間を超す移動を要するだけでなく6時間の時差があり、気候も大きく違う西アジア勢とのアウェーゲームは、大きな負担となる。強豪サウジアラビアと、油断のならないバーレーンとはいえ、西アジアへの遠征が2回だけになったのは幸運と言わなければならない。読者は、この抽選結果をどう捉えているだろうか。

 さて、ここまで私は「アジア最終予選」とカッコ付きで書いてきた。もちろん、正式名称ではないからだ。アジアサッカー連盟(AFC)では、「3次予選」と呼んでいる。

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