「これもサッカーなのかなっていうか……。難しさを感じてます」
百戦錬磨の小林悠も、こう試合を振り返るしかなかった。7月6日に行われたJ1リーグ第22節後の、ヤマハスタジアムのミックスゾーン。川崎フロンターレにとっては直近の3試合と結果こそ同じだったが、ジュビロ磐田戦後は、それとは違う空気があった。
ある選手に試合の受け止めを聞くと、16秒の間が生まれた場面もあった。その間に、さまざまな考えが頭をよぎったはずだ。この展開をどう消化していいか、試合終了からわずか20分程度ではあまりに難しかった。
この日の川崎は、アウェイで先制されながらも逆転し、2-1と勝利も目前となった後半アディショナルタイムに痛恨の同点弾を許す。GKチョン・ソンリョンがボール処理時に足を引っかけてしまうアクシデントで、相手に2度目のゴールを許してしまった。その結果、連続引き分け数は3から4に、連続未勝利数は4から5に。失意の中、敵地を去ることとなった。
「勝点3を取れなかったことがすべて」
試合後にこう語った鬼木達監督の表情は、とても険しかった。