■「見本として見てるだけじゃダメ」

 そしてもう一人、浦和で昨年のアジア制覇を力強く支え、2023年のJ1ベスト11にも輝いたアレクサンダー・ショルツの後を任されたのが、センターバックの佐藤瑶大だ。

 1−0で勝利した名古屋戦に続く、磐田戦でのスタメンとなった佐藤は、マリウス・ホイブラーテンとのコンビで、相手の大型FWであるマテウス・ペイショットとの空中戦で奮闘、地上戦でも効果的なポストプレーを許さず、今季11得点のジャーメイン良のフィニッシュチャンスも制限した。

 攻撃ではショルツにもない展開力を発揮し、石原の先生ゴールでは持ち上がりから右外のオラ・ソルバッケンに繋ぐなど、磐田戦で、試合をドミネート(支配)するへグモ監督のサッカーを体現するにあたり、彼の貢献を抜きに語ることはできない。佐藤は「ショルツ選手は僕の持ってないところをすごく持っていて、もう少し一緒にやりたかった。ただ、こういう世界なので入れ替わりもありますし、僕も見本として見てるだけじゃダメ。ショルツを超えようと思ってきた」と主張する。

 もう少し一緒にやりたかったという本音ものぞかせたが、石原と同じく日本代表を目指す佐藤にとって、これはチャンスでもある。「浦和レッズのセンターバックとして出ている以上、僕が最終ラインをまとめなきゃいけない」と力強く語った佐藤も25歳で、磐田戦でキャプテンを任された伊藤とは同期だ。「敦樹がキャプテンとしての初陣というか。いつも以上に、チームのためにやってくれようというのは僕も感じましたし、それに呼応して僕もやらない」と自身の意気込みも示しつつ、全員がリーダーシップを出していくことが大事になってくることを認める。

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