■武藤嘉紀「今日は完璧な試合運びだった」

 そうなると昨季王者の試合巧者ぶりがより発揮される。後半は鹿島も藤井智也ら持てる駒を投入し、巻き返しを図り、やや内容的にも改善されたが、またも武藤が右サイドを攻略し、最終的には相手エース・大迫勇也がニアの狭いところで右足を一閃。これがいったんはオフサイドと判定されたが、VARで覆り、3点目が生まれ、この時点で勝負ありという状況になってしまった。

「今日は完璧な試合運びだったし、今季のベストゲームだったんじゃないか」と4ゴールに絡んだ武藤が満面の笑みを浮かべていた通り、鹿島は神戸に力負けした印象だ。

「鈴木優磨依存」という昨季からの課題を克服しつつあったはずだったが、大一番で再び問題点がクローズアップされることになった鹿島。何とか2位を死守したものの、町田との勝ち点差を5に広げられた彼らがここからどう這い上がっていくのか――。そこが大きな注目点と言っていい。

(取材・文/元川悦子)

(後編へ続く)

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