現在、J1リーグに新たな風が吹いている。初昇格したばかりのFC町田ゼルビアが、折り返し地点を迎えても首位に立っているのだ。こうしたフレッシュな話題は、他のリーグにもある。なでしこリーグのヴィアマテラス宮崎と、JFLの高知ユナイテッドSCの「シン・快進撃」の秘密を、サッカージャーナリスト後藤健生が探る。
■組織的な守備からの「カウンター」が威力を発揮
立ち上がりはクリアソン新宿がボールを握って、CKのチャンスを何度も作った。それに対し、高知Uは守備を固めた。
4人のDFラインがフラットにそろっていたし、中盤の4人も選手間の距離がきちんと保たれ、選手同士が距離を縮めることによって相手のボールに網をかけていく。非常に組織化された守備だった。
先制ゴールは17分に生まれた。
C新宿がつなごうとしたパスを高知ユナイテッドSCがカットして、小林心が緩急のリズムの変化で相手のアタックをかわしながら、そのまま一挙にドリブルで中央を持ち上がる。そして、小林は右に大きく開いて、そのまま一気にゴール前に上がり、右からのクロスを頭で決めて見事なカウンターを決めた。
さらに、22分、同じように自陣でボールを奪った高知Uは、右サイドバックの吉田知樹がドリブルで上がり、ボールは樋口叶を経由して小林に渡る。すると、C新宿のDF相澤佑哉がファウルで小林を止め、決定的得点機会の阻止で一発退場となった。
高知Uは、組織的な守備でボールを奪ってカウンターという形で1ゴールを決め、相手DFを退場に追い込んだのだ。